社内SE転職ナビの評判より先に見る、国のサイトの公開記録と対象になる人

初級InfraDB編集部

本記事はアフィリエイト広告(A8.net)を含みます。内容は2026年9月25日に確認した公式ページと、厚生労働省の人材サービス総合サイトの記録(令和8年9月1日現在)にもとづきます。

転職したい理由を人に話すとき、つい「キャリアアップのため」と言い換えていませんか。本当は、取引先に気を遣い続ける毎日から離れたい。あるいは、会社の IT をひとりで抱えて、休みの申請すらためらう今の状態から出たい。そういう理由は、面接の場ではなかなか口にできません。

「社内SE転職ナビ」の評判を調べているのも、サービスの良し悪しそのものより、登録したあとで「その経歴では難しいですね」と言われたり、断りにくい連絡が続いたりするのが怖いから、という人は少なくないと思います。

この記事は、利用者の口コミではなく、公式の情報と国のサイトに公開されている記録をまとめたものです。InfraDB はこのサービスを使ったことはありません。そのかわり、運営する会社が法律にもとづいて国のサイトに載せている数字と、公式サイトの「よくある質問」に書かれている条件を、元の文に沿って並べます。

この記事で分かるのは、次の四つです。①会社が法律にもとづいて公開している、紹介で就職した人の数と、早く辞めた人の数。②対象になる人・ならない人(未経験、年齢、住んでいる地域)。③社内SE への転職そのものに対する、名前のある反対意見。④登録する前と、最初の面談で聞いておくこと。


先に結論

  • 社内SE転職ナビは、アイムファクトリー株式会社が運営する、社内SE の求人に絞った転職サービスです。求職者の利用は、登録から入社決定まで無料と公式FAQにあります
  • 会社が法律にもとづいて厚生労働省の人材サービス総合サイトに載せた数字では、令和7年度として登録された就職者は272人、そのうち就職後6ヶ月以内に辞めた人は8人です。この記録は、誰でも自分で引けます
  • 公式FAQによると、預かっている求人は即戦力を求めるものが多く、実務経験を重視する傾向があります。正社員としての実務経験がない人も利用はできますが、紹介の可能性は低くなる、と書かれています
  • 年齢の条件と、兼任で IT を担当してきた経験がどう扱われるかは、公式ページに書かれていません。最初の連絡で聞いてください
  • 取扱地域は「全国」です。面談ルームは東京と大阪にあり、地方や海外に住む人にはオンライン面談が用意されています
  • すでに社内SE として働いている人が別の会社の社内SE へ移ることには、「今の市況では正直おすすめしません」という名前のある反対意見があります

社内SE転職ナビとは

運営はアイムファクトリー株式会社です。この会社は有料職業紹介の許可を受けています。有料職業紹介とは、採用する企業から手数料を受け取って仕事を紹介する事業で、国の許可が要ります。許可番号は 13-ユ-303606 で、社内SE転職ナビの公式サイトのいちばん下にも書かれています。

使い方は二つあり、登録画面で選びます。一つは担当者が求人を紹介し、書類や面接の準備を手伝う「エージェント」。もう一つは「企業スカウト」で、求人を出している企業と登録者が直接やり取りします。企業スカウトのほうは、運営側による求職のサポートは基本的にありません。

公式FAQは、このサイトの利用者として、社内SE として転職活動をしている人、検討中の人、興味を持っている人を想定しています。

一つ気をつけたいのは、ここで言う「社内SE」の範囲です。情シス(会社の中の IT を担当する部署)の仕事だけでなく、自社のサービスを開発する仕事も含まれます。公式トップには「自社開発・情シス求人」とあり、同じ会社のメディア記事も、社内SE の仕事内容は企業によって大きく異なるので「職種名だけで判断せず」と書いています。求人ごとに、情シスなのか自社開発なのかを確かめてください。

なお、会社のサイトには定着率や求人の数も載っていますが、ページによって値や集計の期間が違うため、この記事では使いません。

会社が法律で公開している記録を読む

公開は法律の義務

職業安定法の第32条の16 第3項は、有料職業紹介の会社に、紹介で就職した人の数、無期雇用で就職した人のうち辞めた人の数、手数料のことなどを公開するよう定めています。無期雇用は、期間の定めのない雇用のことです。正社員などがこれに当たります。

公開先は、厚生労働省の「人材サービス総合サイト」です。ただし、そこに並ぶ数字は会社が自分で入力して載せたものです。厚生労働省が調べ直したものではありません。

社内SE転職ナビ(アイムファクトリー)の記録

許可番号 13-ユ-303606 の記録から、就職者と離職者の表を写しました(人材サービス総合サイトの該当ページ、令和8年9月1日現在)。

情報登録年度就職者(4ヶ月以上の有期と無期)うち無期無期のうち、就職後6ヶ月以内に辞めた人
令和2年度177人177人8人
令和3年度203人203人6人
令和4年度221人221人8人
令和5年度278人278人9人
令和6年度278人278人9人
令和7年度272人272人8人

この表を読むときに、知っておいてほしいことが四つあります。

  1. 年度の見出しは「情報登録年度」です。 その年度がどの期間の就職を数えたものかは、ページに書かれていません。そのため、この記事では「令和7年度として登録された数字」と呼んでいます。
  2. 会社全体の数字です。 同じ許可番号で東京・大阪支社・札幌支社の事業所が登録されていて、どのページにもまったく同じ数字が載っています。社内SE転職ナビだけに分けた数字ではなく、事業所ごとに足し合わせるものでもありません。
  3. 令和5年度と令和6年度は、同じ数字が並んでいます。 理由はページに書かれていません。
  4. 人数のまま読んでください。 この記事では、ここから割合を計算しません。令和7年度なら「272人のうち8人」です。

表の備考の欄には、「職業紹介優良事業者」の番号も載っています。

「手数料実績率 37.0%」は、あなたが払うお金ではない

同じページには「手数料実績率」も載っています(こちらも会社全体の数字です)。令和7年度の値は、「情報処理・通信技術者(ソフトウェア開発)」が37.0%、「情報処理・通信技術者(ソフトウェア開発を除く)」が39.9%です。

この数字だけを見ると、年収から何かを引かれるように読めてしまうかもしれません。厚生労働省の職業紹介事業者向けの案内によると、これは「求人者から徴収した手数料の総額」を「求職者の予定年収の総額」で割った数字です。つまり、採用した企業が、入社した人の予定年収の37.0%(または39.9%)に当たる額を、平均で手数料として払ったという意味です。

求職者の側は払いません。職業安定法の第32条の3 第2項は、有料職業紹介の会社は、原則として求職者から手数料を取ってはならないと定めています。アイムファクトリーの有料職業紹介事業のページにも「求職受付の際、手数料は一切申し受けません」とあり、手数料は採用する企業が負担し、上限は就職後1年間に支払われた賃金の40%と書かれています。

こちらはお金を払っていないのだから、合わない求人を断ることに引け目を感じる必要はありません。公式FAQにも、紹介された求人に必ず応募しなければならないわけではなく、応募したい求人にだけ応募すると書かれています。

ほかのエージェントも同じように引ける

人材サービス総合サイトでは、職業紹介事業の許可を受けた事業所を、許可番号や会社名で検索できます。13-ユ-303606 のように番号が分かれば、ほかのエージェントの記録も同じ形で見られます。

面談の担当者に何を言われるかは、登録してみるまで分かりません。けれど、そのエージェントが紹介した人のうち何人が早く辞めたかは、登録する前に、厚生労働省のサイトで誰でも確かめられます。

対象になる人・ならない人

あなたの状況公式に書かれていることこの記事の読み方
IT・エンジニアの実務経験があり、社内SE への転職を考えている・迷っている社内SE として転職活動中・検討中・興味がある人を想定している。転職するかどうか決めていなくても面談を受けられる対象です。面談ではまず「情シスか、自社開発か」を聞く
正社員としての実務経験がない利用はできる。ただ、即戦力の求人が多く、紹介の可能性は低くなる登録はできます。紹介が無い場合もあると知ったうえで
総務や営業から IT 担当を任された(兼任)登録画面は最初に「エンジニア・IT職種経験年数」を聞く。兼任の経験がどう数えられるかは書かれていない次の節へ。最初の連絡で聞く
年齢が気になる年齢の条件は、公式ページのどこにも書かれていない最初の連絡で聞く
東京・大阪から遠くに住んでいる取扱地域は「全国」。面談ルームは東京と大阪で、地方・海外の人にはオンライン面談がある面談はオンラインでできます。住んでいる地域の求人がどのくらいあるかは面談で聞く
どの状況でも経験の内容や希望のバランスによっては、求人の紹介などを提供できない場合がある公式の説明では、理由は経験と希望の「バランス」です。あなた自身の値打ちを言われているわけではありません

この記事の最後の案内を、次の人には向けていません。

  • 心身の不調で休んでいる人・療養中の人。 最初にやることは、エージェントとの面談ではなく、休むことと、医療につながることだと考えています。
  • 今の会社に長くいられる、すでに社内SE として働いている人。 少し先の「社内SE は楽になれる場所か」の節を、先に読んでください。

「未経験だと難しい?」― 兼任で IT を任されてきた人へ

総務や営業の仕事をしながら IT 担当を任され、ここまで回してきた人もいると思います。その経験で転職できるのかは、いちばん知りたいところです。

公式に書かれているのは、次の三点だけです。

  • 正社員としての実務経験がない場合、紹介の可能性は低くなる(公式FAQ)
  • 登録画面は、最初に「エンジニア・IT職種経験年数」を必須で聞く。選択肢のいちばん上は「未経験」
  • 経験の内容や希望のバランスによっては、紹介できない場合がある(公式FAQ)

兼任で IT を担当してきた経験が「エンジニア経験」に数えられるのかどうかは、公式ページに書かれていません。登録画面は最初にこの経験年数を聞くので、自分の経験をどこに当てはめるか迷うなら、登録したあとの最初の連絡で確かめることになります。

IT を任されて、止めずに回してきた経験には、それだけの重みがあります。ただ、それが転職の場でどう数えられるかは、相手が決めることです。答えを待つあいだにも、今の職場でできることはあります。自分が休んでも止まらないように最小限の引き継ぎ資料を作っておくこと。会議で詰まらないように、IT 担当が会議で聞かれる質問への答えを先に用意しておくこと。どちらも、転職するかどうかに関係なく役に立ちます。

社内SE は楽になれる場所か ― 名前のある反対意見

ここで、社内SE への転職そのものに対する反対意見を紹介します。出典は、転職メディア「エンジニアtype」に2026年に掲載された久松剛さんの記事「客先常駐から社内SEへ。人材紹介の現場で志望者が増える今」です。客先常駐は、取引先の会社に常駐して働く形のことです。久松さんは合同会社エンジニアリングマネージメントの社長で、過去に情シス部長やレバテックの技術顧問を務めています。記事の後半は会員限定のため、ここで扱うのは公開されている部分だけです。

久松さんの主張は、要点をまとめると次のとおりです。

  • 社内SE は「安全な避難先」ではない
  • 「身内が相手だから楽」は幻想。新入社員の PC の準備で年度末の土日に出勤することも多く、オフィスのネットワーク工事やフロア移転があれば、社員がいない夜間や休日に作業することになる
  • 求人票の人材要件が「渋滞」している。入社後の仕事は運用が中心なのに、採用要件に「設計・構築経験」と書かれている求人も多い
  • 多くの人材紹介会社は、社内SE の求人のマッチングにあまり乗り気ではない。社内SE の採用は大量ではなく、たいてい一つか二つの枠を埋める欠員補充だから、というのが久松さんの見立てです。

そして、すでに社内SE として働いている人に向けては、はっきりこう書いています。ある会社で評価された経験が、別の会社ではほとんど役に立たないことが多々ある。社内SE から社内SE への「横転職」はマッチングの難易度が「異常に高く」、今の市況では正直おすすめしない。今の会社に長くいられるなら、無理に転職しないのも合理的な選択だ、と。

一方で、久松さんは社内SE というキャリアを否定しているわけではありません。取引先を転々とする働き方より、「一つの会社のIT環境を長期的に守り、改善していく仕事」のほうが性に合う人は間違いなくいる、と書いています。記事の後半は、客先常駐などから初めて社内SE に挑戦する人に向けたものです。

楽になりたい、というのは、転職の理由として恥ずかしいものではありません。ただ、社内SE という職種名が、楽さを約束してくれるわけではない。それを決めるのは、入る会社のほうです。

登録する前・最初の面談で聞くこと

  1. その求人は情シスか、自社開発か。 担当する範囲がどこまでかもあわせて聞きます。運用が中心なのに設計・構築の経験を求めていないかも、ここで確かめられます。
  2. その会社の情シスは何人いるか。 ひとりで背負う職場から出たいなら、次の職場で最初に確かめたい数です。
  3. 自分の経験がどう数えられるか。 兼任の IT 担当やヘルプデスクの経験が、登録画面の「エンジニア・IT職種経験年数」にどう当てはまるかを聞きます。
  4. 年齢の条件はあるか。 公式ページには書かれていないので、最初の連絡で聞きます。
  5. 住んでいる地域・働きたい地域の求人がどのくらいあるか。 取扱地域は「全国」とされています。面談はオンラインでも受けられます。
  6. 連絡の手段と時間。 公式FAQによると、土日祝に申し込んだ場合、連絡は翌営業日以降になります。在職中なら、会社のメールアドレスではなく個人のメールアドレスで登録するよう書かれています。担当のコンサルタントは変更を頼めます。
  7. 応募しなくてもよいか、ほかのエージェントと並行して使ってよいか。 公式FAQでは、紹介された求人に必ず応募する必要はなく、ほかのエージェントとの並行利用もできるとしています。会社は同じFAQで、サービスの利用に期限は設けておらず、転職を急かさない、面談の結果いまの会社に留まることを勧める場合もある、とも書いています。これは会社自身の説明です。

ひとり情シスが辞める前にやっておくこと

自分が辞めたら会社の IT が止まる。それを分かっていて辞めるのは裏切りのように感じる、という人もいると思います。けれど、辞めたいと思うのは弱いからではありません。ひとりで抱える形になっていること自体が、長く続けられる形ではないからです。

辞める前にやることは、多くありません。引き継ぎの一枚と、アカウントの棚卸しです。引き継ぎは自分が休んでも止まらない仕組み:一人情シスのための最小引き継ぎ資料で、アカウントの整理は退職者のアカウント整理のチェックリストで扱っています。

先ほどの久松さんの反対意見も、ここで思い出してください。すでに社内SE として働いているなら、動く前に、今の職場で休める形を作るのも一つの選択です。

登録するなら

登録は、転職を決めることではありません。面談で条件が合わなければ、その場で断ってかまいません。

ここで紹介する窓口は、IT・エンジニアの実務経験があって、社内SE への転職を考えている人向けです。年齢の条件で迷う人は、最初の連絡で聞いてください。

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まとめ

評判を読む前に見ておけるものは、三つあります。一つは、許可番号 13-ユ-303606 で誰でも引ける記録で、令和7年度として登録された就職者は272人、そのうち6ヶ月以内に辞めた人は8人です。二つめは、公式FAQに書かれている対象の範囲。三つめは、社内SE への転職そのものに対する反対意見です。

分からないことは、最初の連絡や面談で聞いてから、進むかどうかを決めてかまいません。

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