ConoHa VPS vs さくらのVPS:法人比較と選び方
本記事はアフィリエイト広告(A8.net)を含みます。価格・仕様は2026年9月25日時点の各公式サイトの表示です。最新は各公式サイトでご確認ください。
TL;DR
ConoHa VPSとさくらのVPSは、どちらも国内大手のVPSでスペックの構成も近く、512MB〜2GBなら1ヶ月単位の月額の差は数百円です。4GB以上では差が開きます(下の料金表)。
法人ユースで効いてくるのは「稼働保証と運用の手間をどこまで見てくれるか」の違いです。
- 可用性をSLAとして契約に明記したい → ConoHa VPS(SLAは月間稼働率99.99%。さくらのVPSにもSLAはあるが、4GB以上のプランで月間稼働率99.95%)
- 複数リージョンでの冗長構成やレイテンシ最適化がしたい・老舗の実績を稟議で通しやすくしたい → さくらのVPS(石狩・東京・大阪の3拠点)
- 8GB・16GBちょうどのメモリが欲しい → さくらのVPS(2倍刻み。ConoHaは4GBの次が12GB。ただし1ヶ月単位の額は、ConoHaの12GB 4,389円のほうが、さくらの8GB 7,040円(石狩)より低い)
- スポット利用・検証環境・キャンペーン時の安さ重視 → ConoHa VPS(時間課金あり、まとめトク割引あり)
スペックはほぼ横並びなので、「稼働保証をどこまで欲しいか」で決めるのが近道です。
さくらのVPSを選ぶ前に、2026年8月に公表された不正アクセスの件(下の「さくらインターネットの不正アクセス」の節)を読んでください。
そもそも何が違うのか(前提の整理)
ConoHa VPSはGMOインターネットグループ、さくらのVPSはさくらインターネットが運営する、どちらも国内老舗のVPSです。両方ともroot権限(サーバーの設定を自由に変えられる最上位の権限)が付与され、OS選択も自由なので、技術面での「できること」自体に大きな差はありません。
差が出るのは、法人が契約書や稟議に書ける「保証」の水準と対象プランと、バックアップなどの運用をどこまで機能で補えるかです。この2軸で比較します。
なお、そもそも共有サーバー・VPS・マネージド専用のどれを選ぶべきかで迷っている場合は、先に法人のサーバー選び方を読んで「VPSでいいのか」を確認しておくと、この記事の比較がそのまま活きます。
料金・スペック比較(2026年9月25日時点・公式サイト確認)
両社ともプラン刻みが違うため、まずはそれぞれの公式プランをそのまま並べます。
ConoHa VPS
| メモリ | CPU | SSD | 1ヶ月単位の月額(更新時の額・税込) | 時間課金の月の上限(税込) |
|---|---|---|---|---|
| 512MB | 1コア | 30GB | 460円 | 751円 |
| 1GB | 2コア | 100GB | 763円 | 1,065円 |
| 2GB | 3コア | 100GB | 1,259円 | 2,033円 |
| 4GB | 4コア | 100GB | 2,189円 | 3,608円 |
| 12GB | 6コア | 100GB | 4,389円 | 7,348円 |
| 24GB | 8コア | 100GB | 9,746円 | 14,300円 |
| 48GB | 12コア | 100GB | 22,099円 | 28,600円 |
| 96GB | 24コア | 100GB | 44,198円 | 53,900円 |
| 128GB | 40コア | 100GB | 58,927円 | 72,600円 |
注意: ConoHa VPSは4GBの次が12GBに飛びます(8GBプランがありません)。SSDは追加SSDのオプション(有料)で増やせます。上の表の「1ヶ月単位の月額」は更新時の額で、初回はキャンペーンで低い額が表示されていることがあります。契約期間分を一括で前払いする「まとめトク」を選ぶと月額換算は下がりますが、期間中の途中解約はできません。時間課金は1時間単位で、まる1ヶ月使っても「時間課金の月の上限」を超えては請求されません。
さくらのVPS
| メモリ | CPU | SSD | 月額払い(税込・石狩) | 年額払いの月額換算(税込・石狩) |
|---|---|---|---|---|
| 512MB | 仮想1コア | 25GB(50GBに変更可) | 643円 | 590円 |
| 1GB | 仮想2コア | 50GB(100GBに変更可) | 880円 | 807円 |
| 2GB | 仮想3コア | 100GB(200GBに変更可) | 1,738円 | 1,594円 |
| 4GB | 仮想4コア | 200GB(400GBに変更可) | 3,520円 | 3,227円 |
| 8GB | 仮想6コア | 400GB(800GBに変更可) | 7,040円 | 6,454円 |
| 16GB | 仮想8コア | 800GB(1,600GBに変更可) | 13,200円 | 12,100円 |
| 32GB | 仮想10コア | 1,600GB(3,200GBに変更可) | 26,400円 | 24,200円 |
※SSDの容量の変更は「ストレージ変更オプション」で、変更手数料が初回に一度かかります(例: 4GBプランで400GBにする場合は4,400円)。
さくらのVPSは石狩・東京・大阪の3リージョンがあり、リージョンによって月額が異なります(石狩がいちばん低く、大阪、東京の順に高くなります。4GBの月額払いは石狩 3,520円・大阪 3,740円・東京 3,960円)。最低利用期間は3ヶ月です。申し込み時にクレジットカード払いを選ぶと、全プランを2週間無料で試せます。
プラン刻みの違いが実務上のポイントです。さくらのVPSは512MBから32GBまで基本的に2倍刻みで、必要なメモリにきめ細かく合わせやすい構成です。一方ConoHaは4GBの次が一気に12GBになります。ただし、額はメモリの大きさだけでは決まりません。1ヶ月単位で比べると、ConoHaの12GB(4,389円)のほうが、さくらの8GB(石狩の月額払い 7,040円)より低くなります。
可用性・運用の手間を法人目線で比較
法人ユースで本当に効いてくるのはここです。
SLA(稼働率保証)
「SLA」って何ですか? サービスの稼働率をどこまで保証するかの契約です。「SLA 99.99%」は、月間の稼働率がこれを下回ったときに補償を受けられるという約束で、止まる時間の上限を約束するものではありません。決済や受注など「止まると直接損失が出る」システムでは、この保証があるかどうかが重要です。
- ConoHa VPS: SLA(サービス品質保証制度)で「サーバーの月間稼働率が 99.99%以上であること」を保証しています。下回った月は、月額料金の10%(99.9%以上の場合)または30%(99.9%未満の場合)に当たる額を「サービス利用権」として受け取れます。自動フェイルオーバー(ホストサーバーの障害時に、別のホストへ自動で切り替える機能)も標準搭載です。
- さくらのVPS: メモリ4GB以上のプランにSLAがあり、「月間のサーバー稼働率が、99.95%以上であること」を保証しています。下回った場合は、満たさなかった部分に当たる利用料金が減額されます(翌月15日までに申請が必要)。対象は「メモリ4G以上」かつ「V5以上」のLinuxプランで、512MB〜2GBのプランと、さくらのVPS for Windows Server は対象外です。稼働保証を契約書や稟議書に書きたい場合は、4GB以上を選ぶことが前提になります。
バックアップ
- ConoHa VPS: 自動バックアップは有料オプションです(100GBで月363円。512MBプランでは使えません)。サーバーの状態をまるごと保存する「イメージ保存」は、リージョンごとに50GBまで無料で使えます。
- さくらのVPS: 公式の仕様一覧に「自動バックアップ」という標準機能の記載は見当たらず、大容量ストレージを外部に増設できる「NFS」オプション(有料)などを使い、バックアップ体制は自分たちで組む前提と考えられます。運用担当者がいない、または少人数の会社ほど、この差は運用負荷に直結します。
自分たちで運用管理する体制が組めるかどうかは、そもそもマネージドVPSとアンマネージドVPSのどちらを選ぶべきかという、もう一段上の判断にも関わってきます。バックアップも障害対応も自前でやる前提がしんどいなら、VPSそのものではなくマネージド型を検討する余地もあります。
データ転送量
- ConoHa VPS: 「転送量課金なし。データ転送量による追加課金はなし」と公式に明記。
- さくらのVPS: 公式仕様一覧に「データ転送量:無制限」と明記。
表現は違いますが、実務上はどちらも「決まった月額の中で転送量を気にせず使える」という点で同等です。
サポート体制
- ConoHa VPS: 電話・メール・チャットに対応。電話とチャットの受付は平日10時〜18時(公式)。
- さくらのVPS: メールは当日〜翌営業日での回答、チャットとコールバック予約による電話サポートに対応(公式)。
どちらも24時間365日の有人サポートではなく、平日日中が基本という点は共通です。夜間・休日の障害は基本的に自力対応が前提になります。
さくらインターネットの不正アクセス(2026年8月公表)
さくらのVPSを候補にするなら、先に知っておきたい公表があります。さくらインターネットは、2026年8月17日に「さくらのレンタルサーバ」の一部環境への不正アクセスを公表し(第一報)、8月19日には販売管理システムへの不正アクセスの可能性を確認したと公表しました(第二報)。9月10日には、調査結果と再発防止策を公表しています(第三報)。
さくらの発表では、販売管理システムに保存されていた会員情報(氏名・住所・電話番号・メールアドレス・契約サービスなど)が、第三者に閲覧または取得された可能性があるとしています。対象はレンタルサーバの利用者に限らず、さくらに会員登録している人の会員情報で、さくらのVPSの契約者も含まれえます。データが外部に持ち出されたことを裏付ける明確な事実は、発表の時点では確認されていないとしています。クレジットカード情報は、さくらが保持していないため含まれていません。
さくらのVPSについては、管理者(root/Administrator)の初期パスワードがさくらのシステム内に保存されていた契約者に、初期パスワードの変更などを案内しています(さくらのVPSの案内)。2022年9月1日以降の新規契約では、管理者パスワードは契約者が自分で設定する方式で、システム内には保存していないと説明しています(一部に例外があるとしています)。また、さくらのレンタルサーバを除くサービスの提供環境では、不正アクセスを示す兆候は確認されなかったとしています。
新しく契約する場合にこれをどう受け止めるかは、さくらの公表(よくある質問)と上の案内を読んだうえで判断してください。
用途別・料金別に見る判断基準
用途別
- 決済・受注など止まると損失が出るシステム、SLAを契約に明記したい → ConoHa VPS(SLAは月間稼働率99.99%。さくらのVPSは4GB以上のプランで99.95%)
- 拠点分散・DR(災害復旧)構成、レイテンシを地域で最適化したい → さくらのVPS(石狩・東京・大阪の3リージョン)
- バックアップ運用に手を割けない、少人数の情シス → ConoHa VPS(自動バックアップを有料オプションで付けられる)
- 開発・検証環境、スポット的な短期利用 → ConoHa VPS(時間課金に対応)
- 既存システムがすでにさくらインターネット系列(レンタルサーバ・クラウド)にある → さくらのVPS(管理画面や請求をまとめやすい)
料金別
1ヶ月単位の額で比べると、512MB〜2GBでは差は数百円です(2GBならConoHa 1,259円、さくら(石狩の月額払い)1,738円)。4GBではConoHa 2,189円、さくら 3,520円と開きます。6〜8GB前後のメモリが欲しい場合、ConoHaには8GBが無いので12GB(4,389円)を選ぶことになりますが、それでもさくらの8GB(7,040円)より低い額です。さくらは年額払いにすると月額換算が下がり(4GBで3,227円)、ConoHaはまとめトクや初回のキャンペーンで額が下がります。契約する時点で、同じメモリ・同じ期間・同じ払い方にそろえて比べてください。
サポート品質別
人的サポートの受付時間はほぼ同水準(平日日中)で、ここでの優劣はつけにくいのが実情です。差が出るのは「何を保証してくれるか」の範囲です。ConoHaのSLAは月間稼働率99.99%、さくらは4GB以上のLinuxプランで99.95%と、稼働率の水準と対象のプランが違います。社内説明の材料にするなら、選ぶプランがSLAの対象かを先に確かめてください。
小規模構成でコストを詰めたい場合は、そもそもVPSではなくクラウドの従量課金と比較する価値もあります。月3万円以下で収めたい場合の考え方はVPS vs クラウド 月3万円以下の構成で整理しています。
まとめ
| 観点 | ConoHa VPS | さくらのVPS |
|---|---|---|
| SLA | 月間稼働率99.99% | 4GB以上のLinuxプランで月間稼働率99.95%(512MB〜2GBは対象外) |
| 自動バックアップ | 有料オプション(100GBで月363円) | 仕様一覧に記載なし(NFSなどで自前対応が前提) |
| データ転送量 | 課金なし(公式) | 無制限(公式) |
| リージョン | 本稿では未確認・要公式確認 | 石狩・東京・大阪の3拠点 |
| プラン刻み | 4GBの次が12GBに飛ぶ | 512MB〜32GBまで2倍刻み |
| サポート受付 | 電話・チャットは平日10時〜18時(メールも受付) | メール当日〜翌営業日/チャット/電話コールバック予約 |
| 最低利用期間 | 記載なし(初期費用無料。まとめトクは期間中の途中解約不可) | 3ヶ月(初期費用無料) |
稼働保証の水準(月間稼働率99.99%)と時間課金を重視するならConoHa VPS、拠点分散やプラン刻みの柔軟さを重視するならさくらのVPS。 さくらのVPSを選ぶ場合は、上の不正アクセスの節と公式の案内を読んでから決めてください。スペックだけを見比べるより、「万一のときに何を保証してくれるか」で選ぶと、法人ユースでは失敗しにくくなります。